紙の本はいずれ、レコードのようにマニア向けの贅沢品になっていくのではないだろうか。

公開日: : 最終更新日:2015/02/07 コラム・エッセイ

【キーワード】むしろ安心

本との出会いは人との出会い、ってわたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいるのDainさんを思い出すなぁ。

本との出会い方: つれづれなるままに

本との出会い方: つれづれなるままに

電子書籍と紙の本が共存していくことになるだろう、という予測は、おそらくそうなるだろうな、という予感はあります。
というか、いまのところ、多くの人が、それを望んでいるようなので。
紙の本を手に取ることが好きである、紙をめくるときの感触が好きである、と、そういうことですね。

自分は自他ともに認める書痴で、文字を読まずには生きていけない人なんですが、別に本という形じゃなくてもいいや、と思っている人なので、「すべての本が電子書籍になっても別に構わない」派です。
何に重きを置くか、ということでしょうね。
見た目や感触に重きを置くか、書かれている内容(コンテンツそのもの)に重きを置くか。
ワタクシにとっては、用があるのは中身です。コンテンツです。そこに何が書かれているかです。

昔話をしますが、レコードがCDに駆逐されはじめたころ、レコードジャケットを好きな人たちが、サイズが小さくなってコレクションの楽しみがなくなる、みたいなことを口にしていたことがありました。そのときも自分は音楽が聞ければ媒体はなんでもいい派だったので、むしろレコードに比べて音質が上がるCDの登場は歓迎すべきものでした。いまじゃそのCDすら配信業に駆逐されようとしています。配信になると音質的にどうかなーというのがあったけれど、最近ではハイレゾ音源なるものが登場し始め、対応機器によってさらに良い音質で音楽を楽しめる環境が整ってきたわけです。
レコードどころかCDは、一部の、マニア向けのものになってきている。

本も、おそらく、同じ道をたどるのではないかと思います。
ワタクシにとっては装丁やあるいはそれが紙であることなどより、そこに書かれている内容が大事なので、むしろ自分の読みたいものがどんどん電子書籍化され、iPhoneの端末の中にそれを全部詰め込めれば、好きなコンテンツを好きなときに、しかも本を持ち歩くような重い思いをせずとも、いつでも読めるようになってきている現在の状況は歓迎すべきものなんですが、それによって紙の本が駆逐されてしまうことに懸念を抱く人が多いのもわからないことはないし、そのノスタルジーを否定するつもりもありません。
ただ、レコードと同じ、マニア向けの贅沢品になっていくんだろうな、その流れは止められないのだろうな、と、そう思うだけです。

……紙の本だろうが、電子書籍だろうが、本を読む人間のほうが限られている、という自覚を持つことのほうが大事なんじゃないかと思う昨今。読書人口が減ってきているということはもうずいぶん前から言われてきていることですが、実際、周りを見回しても、本当にみんな本を読まないんですね……おまえら小説はともかく仕事に関連したビジネス書や実用書くらいは読めよ、と思うんですが、そういうのも読まない。だからある読書家の営業さんがPCDAサイクルについて話をしたときも、本を読まない連中はポカーンとしていて、話が通じたのはワタクシだけ、という状況が発生し、みんなどんだけレベル低いんだよ……と愕然としたのですよ。

本が好きで本を大量に読んでいる自分は、大多数の人にとってはただの変わり者なのだ、と自覚していないと、世間様と目線が完全にずれていくという事実。
こういう状況があるので、電子書籍にかかるコストと、紙の本にかかるコストのことを考えると、余計に、紙の本は贅沢品になっていくんだろうな、と感じるざるを得ないのでした。
都会に住んでいるとまた違った感想になるのかもしれませんけどね。

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